この記事では、労働契約の契約期間の最長は何年かをご紹介します。
ご参考下さい!
契約期間を定めない場合の労働契約は規制の対象外
労働契約の契約期間を考える上で重要なポイントは、契約期間に定めがあるかどうかです。
その上で、契約期間に定めがない場合においては規制の対象外となります。
それは、なぜでしょうか?
理由として、労働者に解約の自由があるからです。
使用者、労働者の当事者間の契約で雇用期間の定めがなかった時、労働者はいつでも労働契約の解約を申し入れることができます。
(ただし、民法の決まりで解約の申し入れから2週間後を契約の解約日とする必要があります。)
そのため、契約期間を定めない場合の労働契約は規制の対象外となっています。
契約期間を定める場合は、基本は3年が最長の契約期間
次に契約期間を定める場合の契約期間ですが、基本は3年が最長の契約期間となっています。
ただし、特定の条件においては契約期間の上限が5年となります。
契約期間の上限が5年となる特定条件
高度の専門的知識等を必要とする業務に就く労働者
高度の専門的知識等を必要とする業務とは具体的には下記になります。
①博士の学位を有する者
②公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士、弁理士の専門資格を有する者
③ITストラテジスト試験(旧システムアナリスト試験)、又はアクチュアリー試験に合格している者
④特許法に規定する特許発明の発明者
意匠法に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法に規定する登録品種を育成した者
⑤大学卒で実務経験5年以上、短大・高専卒で実務経験6年以上又は高卒で実務経験7年以上の農林水産業の技術者、鉱工業の技術者、機械・電気技術者、システムエンジニア又はデザイナーで、年収が1,075万円以上の者
⑥システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタントで、年収が1,075万円以上の者
⑦国等によりその有する知識等が優れたものであると認定され、上記に掲げるものに準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者
満60歳以上の労働者
また満60歳以上の労働者についても雇用を確保する目的から労働契約の契約期間の上限は5年となっています。
一定の事業の完了に必要な期間を定める労働者は例外
その他、一定の事業の完了に必要な期間を定める労働者については、例外として事業の完了に必要な期間で労働契約を行うことが可能です。
例えば、大規模な建設工事で建設完了までに4年の歳月がかかる工事があったとします。
その場合は建設が完了するまでの4年を契約期間の上限として労働契約を結ぶことができるということになります。
<参考>労働基準法 第14条
最後に今回の根拠となる労働基準法 第14条の条文をご紹介します。
1 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年)を超える期間について締結してはならない。
一 専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
二 満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)
2 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる。3 行政官庁は、前項の基準に関し、期間の定めのある労働契約を締結する使用者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
労働基準法 第14条 契約期間等
まとめ
労働契約の契約期間の最長は、契約期間を定めない場合の労働契約は規制の対象外となる。また契約期間を定める場合は、基本は3年が最長の契約期間 となるが特定の条件においては上限が5年に延長される。
以上、『労働契約の契約期間の最長は何年!?』でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。